虐待問題!子どもの愛着形成について解説。子どもに関わる全ての人へ

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子どもが虐待を受けると、虐待を受けた子どもはどうしても虐待を繰り返して、親になったときに虐待を繰り返してしまいます。そのことを負の連鎖と私は言っておりまが、その中でどのような形でこの負の連鎖を断ち切って行くかという点と、アタッチメント(愛着)の形成が不十分だとどのような悪影響が出るのかところに焦点を当てて書いていきたいと思います。

前回のお話はこちらを参考にしてください。

なぜ親が子どもを虐待してしまうのか?メカニズムについて解説します
ここではなぜ親が子どもを虐待してしまうのかということを解説していきます。数人でもこのブログが目に留まって読まれることで、これがきっかけになり、自分の子育てを見直し、世の中で虐待を受けている子どもが1人でも救われることを期待しています。

私は虐待を受けてきた子どもの生活を10年以上見てきました。また、その子の親も同時に見てきた経験からお伝えしていこうと思います。

この記事は、子育て中の親はもちろんのこと、子どもに関わる全ての人(学校の先生・保育士・幼稚園教諭・児童会館の職員・児童デイサービスの職員等々)に知ってほしいという思いで書いていますので、是非最後まで読んでみてください。

よく問題行動が多い子どもは愛着の形成が・・・という言い方をされますが、ここではアタッチメントの形成という言葉を使わせていただきます。

虐待を受けた子どもはどうなる?

虐待を受けてきた子どもは、幼い頃のアタッチメントの形成が十分ではないということが言えます。

このアタッチメントの形成が上手く行っていない子どもは将来様々な苦労をしていきます。

例えば、アタッチメントの形成が十分ではなかった子どもは、自分に注目してほしいという思いから自分に注目を集めたがります。

大人を自分に注目させたい行動と言えば

大人にとってやってほしくない行動!』俗に言う悪いことをしたがります。

大人は子どものやっては行けない行動に注目しがちになってしまいます。

『子どもの良い部分を認めて褒めよう』と思う方もたくさんいらっしゃると思いますが、大半の大人は子どものやってほしくない行動に着目してしまいます。それは大人も子どもの頃、良くない行動に着目されて注意を受けてきたからです。これは仕方のないことなのです。

話しを戻しますが、アタッチメントの形成が不十分で育ってきてしまった子どもは上記のように、大人が反応しそうな行動ばかりを行ってしまいます。

大人が反応(注意)すると『やった!自分を見てくれた!』となるわけです。ちなみにその際、子どもを注意したとしても、その効果はあまり見られず、『ごめんなさい』とは言うものの、同じようなことを繰り返してしまいます。そして怒られます。

ここでの子どもの行動は注意を引きたいだけです。ですが、大人はそのことをわからずに何度も注意をして

『何回言ったら分かるの!!!』

と怒ってしまうわけです。

子どもの言い分としては、『僕(私)に注目してほしいだけなのに』とどこかで思っています。

そしてその良くない行動は無意識的にやってしまうようになります。

その時点で大人は子どものことが分からずに頭ごなしに注意をし、怒ってしまうわけです。最悪なのは、大人が子どものことを理解していないが故に『あの子は何回言っても悪いことをする悪い子だ!』と認識してしまうことです。

ここまで書けば分かると思いますが、この時点でどちらが間違っているでしょう。

それは大人です。

子どもは大人に自分を見てほしいだけ・自分を認めてほしいだけ・でも注意の引き方が分からないから、大人が一番食いつきそうな悪いことをする。という状態になっていくわけです。

そして注意し続けられた子どもは徐々に、『自分は悪い子だ・ダメな子だ』というように自己肯定感が低くなり、何事にもチャレンジすることができなくなって行きます

アタッチメントの形成について

アタッチメントの形成については、これも例えを用いて書いていきます。

幼い頃、愛情をしっかり注がれた子どもに関しては愛情をコップと水に例えると、コップの中にしっかり水が注がれるような形になり満タンになっていきます。満タンになると愛情が満たされたと認識できるわけです。しかしアタッチメントの形成が不十分だと、コップの水はいっぱいになることがなく、どんどん下から漏れていってしまい、満タンにならない状態になります。満タンにならずに水が漏れて行ってしまうので、愛情がいつまでたっても満たされない状態になります。

幼い頃からしっかり愛情を注がれたお子さんにしか味わえない感覚です。

ちなみに犯罪行為にもつながりやすくなります。

これは子ども時代に限らず、大人になっても上記の子どもと同じような、他者の注意を引きたがる行動をします。どうしても自分を見て欲しいと言う思いから、悪いことをして注意を引くとことをしてしまいます。虐待を受けて大人になった人がすべてそうなるかと言ったら、全くその通りではありませんが、犯罪者の過去歴・幼少期を見ると、その傾向が強い方が多くいらっしゃいます。

※犯罪の要因はたくさんあるので、犯罪を犯す=アタッチメントの形成がしっかり行われなかったわけではありませんのでそこは注意してお読みください。犯罪心理学については、色々な要因から犯罪に繋がっているので、最悪そのような傾向があることだけを抑えておいてください。

要は子どものころに培った人の注意を引く行動が、子ども時代の時には『子ども』という括りで許されていたことが、大人になるにつれてどんどんエスカレートしていき、強く注意を引く行為を行ってしまい、結果犯罪を犯してしまうということに繋がっていくわけです。

アタッチメントの形成をしっかり行うためには?

それじゃあどうすればいいのか?

幼い頃からしっかりお子さんたちを見てあげることです。当たり前のことですが、子どもは良くも悪くも色々なことを吸収して大人になっていきます。発達の過程で様々なことを学びますが、子どもは大人とは違って、大人がわかっているだろうと思うこともわからないことがあります。そこはやはり大人がしっかり理解をしてあげて関わってあげることが大切です。

私はこのブログで子どもの習慣化や意志力の高め方などを投稿しています。それは機械的にやるのではなくて必ず認める子どもを認めることが一緒に書かれていると思います。

子どもは誰しも大人に認められたいです。大人も同じです。

大人も誰かに認められたい

大人も子どもも同じで、認められると徐々に自信がつき、また頑張ろうと思えます

子育ては簡潔には言えませんが、まずは子どものことをよく見てあげて、認めてあげることです。

アタッチメントの対象者は?

ここまで読んで、このアタッチメントの形成(愛着の形成)を作っていくのは親だと思われた方が多いと思われます。しかしこのアタッチメント形成に関しては様々な研究が行われており、アタッチメントの対象者が親ではなくても良いという研究結果があります。

そもそも、アタッチメント形成っていうのは自分を守ってくれる安全基地なんです。そこの安全基地に行けば自分は安全だと認識してもらうことが大切になってきます。なので家庭で虐待を受けていたとしても保育園や学校または児童会館とかそういう所でも自分がこの人と一緒にいれば安心だという環境さえ作ってあげることができればアタッチメント形成不全になる確率は少なくなります。

しかし日常的に一緒にいるのはどうしても親になります。一番の理想は親がアタッチメント形成の安全基地になってあげることなんです。そこからスタートしていけば、どこに行っても本人たちはここに家に戻れば安全基地と言う形になってチャレンジする気持ちがどんどん芽生えてきます。

ここで安全基地の条件についてお知らせしておきます。

安全基地とは子どもにとって、大きくて強くて賢くて必要な時に守ってくれて、必要なときには教えてくれる人です。そして頑張っているときにはしっかりと認めて見守ってくれるという条件を満たしていることをいいます。

また、上下関係のある関係というところも安全基地の条件となります。

安全基地のわかりやすい例としては、1歳~2歳の子が、父母から少し離れて過ごしたとします。そこでその子が不安を感じたら父母のところへ戻ってきますよね。この場合、父母がその子にとっての安全基地なのです。この安全基地をしっかり作ってあげることがアタッチメントを形成していく上で大切なことになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

アタッチメントの形成が不十分だと起こりうる悪影響については知っていただけましたでしょうか?ちなみに

悪いことをして注意を引きたがる=アタッチメントの形成が不十分というわけではありません。その傾向があるということと、子どもは大人に見てほしい・認めてほしいという思いから、アタッチメントに問題がなかったとしてもそのような行動をとることがありますので、そこは勘違いしないようにしていただければと思います。

アタッチメントの形成が不十分なお子さんはある意味被害者です。

子どもの悪いことに着目するのではなく、その背景には何がそうさせているのかを考えながら関わってほしいと思っております。そこには必ず原因があります

子どもももちろん人間です。人の心理なんでなかなか読み取れるものではありません。

ですが、子どもに共感することはできると思います。

その子に共感していくことができれば、アタッチメントの形成が不十分なお子さんでも、一人でも信用できる大人ができ、そこから一人二人とアタッチメントの形成を行うことができて、悪い行動をしなくても大人が自分のことを見てくる・守ってくれると思ってもらえるように関わっていただければと思います。

少し長くなってしまい読みにくかった部分のあるかと思いますが、ここまで読んでくださった方々に感謝します。

この記事が数名でも見てもらうことでこのことが知れ渡り、一人でも多くの子どもを救えれば幸いです。

 

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